マイクログルーブロールは、シートやフィルムの搬送ロールに微細溝加工を施し、必要な摩擦係数を獲得できる高付加価値ロールです。若水技研が独自に開発した技術によってロールとフィルム間に生じやすい空気層の発生を抑え、安定したウェブハンドリングを実現できます。
独自技術製品につき、若水技研ではロールの製作機にも特別仕様の性能が求められます。そのための製作機も自社製作しており、製作機レベルでの技術的研鑽も進めています。
ウェブ搬送設備で製品不良を発生させる根本原因として、ロールとウェブとの間に巻き込まれる空気により、空気層が発生し、摩擦係数が減少することで、ロールとの間に滑りが生じて、ウェブの搬送状態が不安定になることが知られています。
摩擦の減少または消滅により、安定したウェブの搬送ができなくなった結果、スクラッチ傷の発生や、ウェブの蛇行、流シワを生じさせ、製品不良が発生することは避けられません。旧来の手法として、スリップを防止するには、運転張力を大きくしフィルムをロールに押し付ける力を大きくすることで浮き上がりを抑制することが一般的でしたが、ウェブが薄膜化し、残留応力のない製品を生産するためには、高張化では対応が困難になり解決策が求められておりました。
微細溝加工を実施したロールは、ウェブとロール表面の間に巻き込まれた空気を、微細溝に排除することにより、ロールとウェブ間の有効摩擦係数を維持することが可能になります。